万博は国際博覧会というもので、国際博覧会条約に基づいて行われるものです。
1798年のフランス革命の時期に始まり、その歴史は現在も引き継がれています。
万博では、様々な国や人々に対して新しい文化や技術の紹介をするとともに、国際交流もできる場として誕生しました。
万博は、展示品を見るだけでなく、人類共通の課題を解決するためのアイデアを創り出し、発信する場でもあります。
そんな万博では、最先端技術を紹介するうえでインパクトのある看板で興味を引くケースが多いです。
ここでは、看板を万博で用いる際のポイントなどを中心にご紹介します。

万博における看板の持つ意味

万博は、1798年にパリで初めて開催されたものです。
当時は国内博覧会でしたが、次第に規模も大きくなっていき、1851年に第1回国際博覧会がロンドンで開催されました。
日本で初めて万博が開催されたのは1970年で、大阪万博といわれています。
アジア圏で初となり、3月15日～9月13日まで開催されました。
アメリカに次いで、経済大国となった日本には万博が象徴的な意義のあるイベントという認識がありました。
そこで、当時多くの企業や建築家、芸術家、映像、音響など様々なイベント製作、展示物製作が用いられています。
モノレールや動く歩道、電気自動車、携帯電話、缶コーヒー、ケンタッキーフライドチキンなど、現在では当たり前のようにあるものが、当時の万博で登場したのです。
この万博で公式シンボルとなったのが、日本の国花である桜の花をかたどったものであり、多くの看板やポスターが日本中の様々な場所に掲示されました。
万博の看板を設置することで、多くの人に告知と意義を伝えることができます。

看板設置の目的や効果

万博に限らず、看板の設置にはどのような目的や効果があるのでしょうか？
ここでは、看板が持つ目的や効果についてご紹介します。

目的を明確にしてから設置する

看板を設置する目的は何でしょうか？
看板には、ただ宣伝したい内容を書けばいいという訳ではありません。
看板を設置する目的は何かを明確にしてから設置する必要があります。
今回のように、目的が万博となれば多くの方にその内容を周知してもらう必要があります。
そのため、万博のキャラクターを記載し、開催日や場所を明記する必要があるでしょう。
2025年に開催されるのは、「大阪・関西万博2025」で期間は2025年4月13日～10月13日です。
場所は、大阪市此花区にある夢洲なので、その点もわかりやすさとインパクトを踏まえて記載するとよいでしょう。

効果の高い場所を選択する

看板には、情報を多くの人の伝える目的があります。
しかし、設置場所の選択を間違えてしまうと看板の持つ高い効果を発揮できません。
看板の内容を多くの人に知ってもらうためには、屋上広告塔など高い場所に設置するのがおすすめです。
また車や電車などが通る環境でも、大きな役割を果たしてくれます。

情報を入れすぎるのはNG

多くの人に周知してもらえるきっかけとなる看板ですが、あまり多くの情報を入れるのはおすすめできません。
できるだけ、少ない情報でインパクトを残すようにした方が良いでしょう。
「大阪・関西万博2025」の場合は、公式キャラクターのミャクミャクがいます。
このキャラクターを目立つようにするだけで、万博をアピールしていることは伝わります。
このように、情報の必要性に着目して看板製作しましょう。

万博では建物などが看板と同じ意味になる？

万博では、看板設置という直接的なアプローチでなくても、建物全体で看板と同じ意味を持たせることもできます。
ここでは、過去の万博から看板同様の意味を持つ建物についてご紹介します。

長久手日本館

長久手日本館は、万博のテーマとなっている「自然の叡智」に沿ってCO2削減、省エネ、バイオマス建築の3Rをコンセプトに設計されています。
光触媒の金属屋根、使用後に土に還る材料、新エネルギーの利用などでパビリオンを創りました。
これにより、看板がなくても建物のインパクトから伝えたいことを相手に訴求できます。
その結果、2005年には博覧会･展示会施設部門のディスプレイ産業優秀賞となる、ディスプレイ産業賞を受賞しました。

夢見る山

万博では、今までにアールデコ様式の創出、エッフェル塔など、その時代の最先端科学技術、芸術ともに融合して高度な技術を生み出してきた歴史がありました。
そこで、2005年の日本国際博覧会のパビリオンとして赤富士をイメージさせるような色合いとデザインで作り出したのが「夢見る山」です。
日本の象徴的な富士山、そして葛飾北斎の基幹色である渋めの赤を使うことで、朝焼けのような赤がインパクトある富士山を美しく表現しました。
これによって日本の象徴的な山や芸術を用いつつ、最先端の技術力もアピールできています。

上海万博の大阪館

2010年に開催された上海万博の大阪館では、大阪市を中心に飲料水の浄化設備などの最先端技術を紹介しました。
民間企業を中心に大阪発祥のものとなるたこ焼き店なども出店されましたが、何よりも大阪という地域性をアピールするものが目立ちました。
1970年に開催された大阪万博でシンボルとなった太陽の塔に加えて、通天閣、ゴジラなどを大阪らしく表現しています。
さらに、大阪の歴史をポップに表現したオレンジや緑色の原色看板が登場し、大阪という地域性を色やデザインで演出しています。

企業パビリオンは建物が看板の役割を持つ

2005年の愛知万博では、各企業が最新テクノロジーを来場者に体験してもらうためのパビリオンを企画しました。
そこでは、建物の外観だけで何を伝えるかがわかるものが多くあります。
例えば、電気事業連合会のワンダーサーカス電力館では、その名の通り電動ライドに乗ってアトラクションのように各シーンを巡ることができ、子どもでも楽しく概要を把握できる内容です。
愛知県陶器瓦工業組合の瓦オブジェ「花もあらしも」では、日本に伝わる瓦の伝統美と現代アートの融合により、瓦が前面に打ち出されるものとなっています。
トヨタグループ館、日立グループ館でも近未来の発展やテクノロジーに関する技術をアピールするような近未来を感じる建物が、看板と同じようにアプローチされる内容でした。

まとめ

看板は、何を伝えるか、何をインパクトとして与えたいのかなどによって製作する構成や場所などが変わってきます。
しかし、看板製作会社によって得手不得手があり、万博など大きなイベントで使用する看板製作では過去の事例も重要になってきます。
看板を依頼する際には、目的や内容を明確するとともに、製作会社の実績なども確認しておきましょう。