地球環境を守ろうとする取り組みが世界中で活発化する中で、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みも重要視されるようになりました。
カーボンニュートラルは、地球の温室効果ガスの排出量が全体的にゼロになっている状態のことを言います。

限りある資源を大切にし、温室効果ガスを削減することが、地球上で今後も暮らしていく上で必要不可欠です。
看板製作においても、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが必要となります。
そこで今回は、カーボンニュートラルの重要性や実現に向けた取り組みについてご紹介します。

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と植物の光合成によるCO2吸収量を同じ量にして、結果的に温室効果ガスの排出量をゼロにすることを言います。
日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言しています。
ここでは、カーボンニュートラルの重要性をご紹介しましょう。

世界中で注目されている

カーボンニュートラルの実現を目指しているのは日本だけではありません。
2021年1月時点では、欧州連合であるEUをはじめ、イギリスやアメリカ、中国といった先進国において2050年、また2060年までのカーボンニュートラル実現を目指すと宣言しています。

2017年の実績によると、2050年までにカーボンニュートラルを実現した場合、宣言をした各国の温室効果ガス排出量は世界全体の37.7％を占めることになると言われています。
世界全体において、カーボンニュートラルは注目されているのです。
国内でも2020年にカーボンニュートラルの宣言をしたことで、多くの人々から関心が寄せられるようになっています。

カーボンニュートラルの目的

国内でもカーボンニュートラルの実現を目指すため、最近では企業でも独自に取り組みを実施しているところが増えてきています。
カーボンニュートラルの最大の目的は、世界全体の課題である地球温暖化への対策です。

地球温暖化の原因である温室効果ガスを削減し、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることは、対策としても有効な手段だとされています。
近年、環境への配慮は企業でも取り組むべき重要課題とされており、カーボンニュートラルを目指す技術開発にも積極的に取り組むケースが増えてきました。

また、国内ではカーボンニュートラル実現のために、2030年までに行う取り組みとして地域脱炭素ロードマップが作成されています。
地球環境に配慮した取り組みにおいて、環境省は人材・技術・情報・資金などを支援しています。

カーボンニュートラル実現に向けて必要な取り組みとは

企業ができる取り組みには、CO2削減・再生エネルギー活用の2つの方法があります。
ここでは、必要な取り組みについてご紹介します。

CO2削減

最も重要とされているのは、CO2の削減です。
温室効果ガスの排出量を削減するには、自社の事業活動において排出されるCO2の量を減らしていく必要があります。

例えば、IoT機器を導入することで事業活動でのCO2排出量を測定して「見える化」するという方法があります。
自社でどれだけエネルギーを消費しているのか、エネルギー削減に向けて取り組めることはあるか、利用するエネルギーを転換できないかといったように、CO2削減に向けて明確な道筋を立てていくのです。

再生可能エネルギーの活用

利用するエネルギーを転換する方法として、再生可能エネルギーを活用することも重要です。
再生可能エネルギーは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスといった資源がなくなることなく繰り返し利用できる再生可能なエネルギー源です。

現在日本や多くの国で主流となっている火力発電では、燃料となる石炭を燃やす必要があり、その度に多くのCO2が発生しています。
一方、再生可能エネルギーは発電時にCO2が排出されることはありません。

自社機械・設備の自動化

機械や設備などを活用する企業では、これらを自動化することでCO2を削減するという方法もあります。
仮に看板製作に関連する機械や設備を自動化した場合、停止時間を最低限に抑えられるようになり、生産効率が向上します。
また、需要の予測としてAIを活用して発注を最適化すれば無駄を削減でき、さらに生産効率が高まることでCO2削減につながるでしょう。

環境に配慮した看板を製作するには

多くの企業では、カーボンニュートラルの実現に向けて環境に配慮した取り組みを行っています。
看板製作においても、環境に配慮した素材を採用しているところも多いです。

再利用できる素材を選ぶ

看板に使用される素材は、使い捨てのものも多く使われてきました。
最近では、カーボンニュートラルの実現に向けて、再利用できる素材を使った看板のニーズが高まっています。

例えばリサイクル可能なエコパネルや石灰石原料シート、ノアルクスといった素材です。
中でもノアルクスは、屋外看板で使用されるアルミ複合板に似ていますが、厚さが薄いPETの複合材を使用しており、運搬コスト削減やリサイクルも可能です。

フレームを木製からアルミ製へ

屋外の看板で使用されているフレームは、その多くが木製となっています。
木製フレームは、耐久性や強度が弱いために経年劣化しやすいほか、台風や大雨など自然災害による被害を受けやすいと言われています。
看板が損傷したり破損したりしないよう、木製フレームの場合は定期的な点検や作り替えが必要となっていました。

一方、アルミ製のフレームにすれば耐久性や強度が高く、再利用することも可能です。
また、木材の使用が減れば自然環境への負荷低減も期待できます。
再利用可能な素材と組み合わせることで、環境に配慮した看板の製作が可能です。

LED光源の採用

LEDを看板の光源に採用することも、環境に配慮した看板製作への第一歩となります。
LEDは、一般的な白熱電球や蛍光灯などよりも寿命が長く、消費電力が少ないことなどがメリットです。

看板の光源をLEDにすれば、電気量を削減でき、ランニングコストも抑えられます。
紫外線や赤外線の放出も少なく、CO2削減による環境保護や節電効果も高いでしょう。

まとめ

政府で宣言されたこともあり、日本では様々な企業でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが活発になってきています。
環境への配慮はどのような企業でも取り組めることであり、今後の地球環境を守るためには必要不可欠なことです。

看板もまた、環境に優しい素材や方法で製作することも可能です。
地球温暖化対策として、今後使用するべき素材や光源についても理解しておきましょう。
看板製作で悩んでいる方は、実績豊富で環境に配慮した素材を使用しているプロに相談してみてください。